Wemake Blog

ものづくりのオンラインプラットフォームWemakeのブログです

コラボレーションのチカラで日本のものづくりを変えていく

コラボレーションをテーマにした早稲田学報の8月号で、Wemakeを取り上げて頂きました。

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可能性あるアイデアを皆の力で形にする

大川 「WEMAKE」は、誰かが思いついた「こんな商品があればいいのに」というアイデアをもとに、設計や販売などの専門知識・技術をもつ人が協力することで商品化を実現させる、共創プラットフォームサービスです。

 まず、商品をつくりたい人がアイデアを投稿する。投稿に対して、商品化を望むほかの人が投票したり、アドバイスを送ったりします。その結果、一定数から賛同を得て、われわれの審査をクリアしたアイデアが、商品化のフェーズに移るのです。ここでは、デザイン、ネーミング、市場調査など、得意分野をもつ人たちが集まり、力を出し合います。商品化されたものは、全国の小売店やeコマースなどで販売します。

大川 現在、約500のアイデアが集まっています。12歳の女の子や、80歳の元エンジニアの方がアイデアを持ち込んでくれたこともありました。もとのアイデアさえよければ、ほかの人間が手助けすることで、ちゃんとした商品になりうるのです。


山田 例えば、「ティッシュボックスと同じ紙の量を、オシャレに持ち運べるタンブラー」(図1)や、「盗難防止のため柄の部分が取り外せる傘」など、ユニークなアイデアが生まれています。また、釜石市との共同企画で、高齢者向けの調理器具の開発も進行しています。この調理器具では、取っ手の構造を工夫して、持ち上げるのに必要な力を軽減しました。

技術力と企画力のコラボレーション

山田 大学時代、人力飛行機をつくるサークルに所属していて、部品製作を中小企業のおじさんたちに手伝ってもらったことがあります。その技術レベルの高さに驚きましたね。しかし、彼らは自分を売り込むのが苦手なところがあり、インドや中国へのアウトソーシングが進むと、こうした優れた技術者たちが廃業してしまうケースもありうる。


大川 一方で、メーカーに就職した同期の友人の話を聞くと、組織の方針や物理的な制約により、ものづくりが思うようにできず、フラストレーションがたまっているといいます。それなら、技術力と企画力のコラボレーションで、新しいことができるのではないか。そこで、物理的な制約がなく、誰もがものづくりに参加できて、価値を生み出せるような場所をつくりたいと考え、2人で会社を設立しました。


山田 設立当初は、世田谷の一軒家を工房にリノベーションして、ものづくりをしたい人を集めるサービスをしていたんですが、工具の音がうるさくて追い出されてしまいました(笑)。そこから試行錯誤を続けるうちに、やはり、もっと多くの人がつながる仕組みの方がいいということになり、「WEMAKE」にたどり着いたんです。より多くの人に利用してもらうために、SNSによる拡散にも取り組んでいます。

大川 「WEMAKE」の面白いところは、これまで消費者だった人が、生産者にまわること。例えば、今後、大手メーカーの社員さんが、「WEMAKE」を使って商品開発をアウトソーシングすることもできるわけです。日本にはアイデアや技術といった資源が、まだまだ点在している。それらを結びつけることが、日本のものづくりの原動力になると思っています。