道端のゴミが売れるということについて
「NYのゴミをプラスチックの箱に入れて売る」という、ちょっとおもしろい記事が出回りました。
道端に落ちているゴミも、おしゃれなキューブに入れればデザインの力で売れる。というもの。
記事にもある通り
「パッケージデザインの重要性を教えてくれる良い取り組みだな。」
と思ったのですが、同時に、他にも重要な要素があるように感じました。
以前、WEMAKEをよりよいものにするため、ユーザーインタビューをしていた時のことです。
複数のインタビューで、「ストーリーを買う」という発言を聞いたのが印象に残りました。
ストーリーを買う、とはどういうことか。
ファッションが好きなインタビュー対象のAさん。
最近は靴にハマって、靴のためにロンドンから更に2時間くらい離れた田舎まで行ってきたそうです。
好きなモノとはいえ、わざわざそんなところまで時間やお金をかけて…と思ったのですが、
Aさん曰く、
「ものを買うときには、そのものにどんなストーリーがあるのかを大切にしている。
どうしてそれができたのか、何故こんなに高いのか…等々、自分も、その作り手や売り手も含めて
どれだけ深いストーリーを語れるかが大事。たくさんのストーリーがあればあるほど欲しいし、大切にする。」
と思うのだそうです。
NYのゴミが売れるというのも、パッケージデザインだけではなく
「ストーリー=価値」と感じられているという例なのではないかなと思います。
「パッケージデザインを馬鹿にした同僚を見返したい!」という作り手の想い。
売られるゴミ自体に存在する「同性婚合法化記念の時」といった物語。
ゴミ問題が深刻なNYCにおいて人々が意識を向けるきっかけ…
このNYC Garbageには、こうした様々なストーリーが詰まっているのです。
人々はそこに共感し、価値を感じ、購入する。。。そんな背景があるのではないかなと感じました。
似たような話で、つい最近「彼女にサプライズで渡そうと思っていたプレゼント2歳1か月」
というヤフオクの出品が話題になりました。
これも同様に、物自体ではなく、そのものがもつ「ストーリー」に価値が発生しています。
実はWEMAKEができた背景の1つにも、
「プロダクトの裏でブラックボックス化されているストーリーを明らかにしたい」
という想いがありました。
今まで見えなかった物語を垣間見ることで、そのものの本当の価値に気がつくことができるのではないか。
それがわかれば、作り手(売り手)も買い手も、もっと幸せになる。
そんな想いが存在しています。
WEMAKEに日々投稿されるアイデアの中に面白そうなものを見つけた際は、
ぜひ投稿者の方とコミュニケーションをしてみてください。
「実は、、、」という興味深い物語が聞けるかもしれません。