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顧客視点の難しさ

以前流行った『ビジネスモデル・ジェネレーション』(以下BMG)ってご存知ですか。

ビジネスモデルを9つの要素に分解する、あれです。

その続き“Value Proposition Design”が先月出版されました。

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まだ日本語になっていないですが、基本的には、

BMGにおけるもっとも重要なパーツであるVP(Value Proposition=価値提案) と、

CS(Customer Segment=顧客セグメント)を深堀りしていくことで、より顧客にとって価値の高いものを生み出していくといったような内容です。

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触れると長くなるので、気になった方は読んでみてください。きっとすぐ日本語版も出ると思います。

さて、この本が「顧客に提案できる価値」に焦点をおいているのと同じく、「顧客視点」とか「人間中心」とかいった言葉が、

主に企業を中心として日常的に聞かれるようになってきました。

なぜでしょう。

これも聞き慣れた説明ですが、簡単にいえば「作っただけじゃどうにも売れなくなった」からです。

昭和30年頃からの、なんでも作れば売れていた高度経済成長期とは違い、生活は物で溢れてニーズは細分化され、経済は低迷し、、、と

人々が簡単になんでもかんでも買う時代ではなくなってしまいました。

実に困りました。

だから、売る(つくる)立場にいる人達は、買う立場の人のことをもっと真剣に考えて、ものを作らなければいけなくなりました。

とはいえ、顧客視点に立つというのは思っている以上に大変です。

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(参照:http://annejanzer.com/2012/12/03/content-marketing-watch-your-assumptions/perspective-glasses/)

とくに、長い時間をかけてものづくりをする製品開発者は、自分の商品・アイデアにどうしても自信と愛着がわくものです。「いいものをつくった!」と。

でも実際には、顧客視点の「いい」の基準が、いつの間にか、誰よりもそのモノを熟知している自分の価値観における「いい」になっていることが往々にしてあります。

作り手自身の「いい」と、買い手の「いい」がそのまま一致すれば、それが一番嬉しいことですが

実際には、うまくいかないことも多いです。

「いいものをつくったのに、なぜ?」という時は

視点がずれていないか、客観的に見つめてみることが必要です。

WEMAKEではアイデア投稿の時、そのアイデアが実現すると「誰に」「どんないいことがあるか」を考えて記入する欄があります。

イデア投稿をする上で、一見手間のようにも思いますが

これは、「顧客視点」を担保する工夫でもあるのです。

ちょっと面倒だな、と思ってもきちんと考えてみることで
具現化される可能性がグッと上がるかもしれません。